1-C 第二外国語は中国語

こんにちは、MCNの井村正規です。岡野実空師からこのコラムを引き継いで、あっという間に3回目に突入しました。こんな感じでゆるゆると筆を進めて参りたいと思います。

大学生活は音楽と中国語から始まりました。せっかく新しい語学に触れるのだからと通常の第2外国語の講座以外に、一般教養科目で口語中国語というクラスを選択してみることにしました。他の科目は先輩や同級生に聞きながらAがとりやすい楽勝科目中心で選択していたものですが、この口語中国語というのは珍しく意欲をもって取り組もうと考えた科目でした。

担当教授は当時NHKテレビの中国語会話にも講師として出演していた陳文芷先生とそのご主人の楊為夫先生でした。自分が習っている先生がテレビに出ているとちゃんと毎回放送を見ようという気にもなり、カセットテープに録音(当時はまだビデオはなかったので)して繰り返し聞きながら発音する練習みたいな勉強の仕方にも真面目に取り組んでみました。外国語というものは単に言葉なので、母語である日本語がちゃんと話せる私たちにとっては練習さえすれば誰でも話せるようになるものだというのはその時に納得できました。
何しろ先生が良かったんですね。とても学生に寄り添ってくれる先生で、中国映画をみんなで観に行ったり、旧正月が近づいた試験明けにはご自宅にクラスの学生を招いてくださって、みんなで餃子を包む水餃子パーティを開いてくれたりもしました。

こんなふうに選択科目で中国語に楽しんで取り組めていたので、必修科目の試験はとても簡単で単位も全く問題なくA対応できていたわけですが、他のクラスメートたちは、相当苦労していたようでした。たまたま試験直前にここが大事だよと教えてあげたことを25年後までしっかり覚えていてくれたクラスメートもいて、偶然見つけてくれたFacebookで連絡を取り合うようになりました。彼はプライム上場企業で長く台湾現法のトップを務めています。今では僕より中国語は流暢なんだろうし、Facebookで伝えてくれる高級からB級まで極めて幅広い台湾グルメレポートを僕はとても楽しみにしているし、何より台湾でのご活躍が素晴らしいです。

音楽に関しても、高校時代はずっとアコースティックギターの弾き語り、当時の呼び方ではフォークをやってきましたが、大学で音楽のサークルというと当然のようにバンド志向であったりして、僕も一人で弾き語りでステージに立ちつつ、バンドでの活動も行うようになってきました。一人で演奏するとなんでも自由だし、自分のやりたいように曲の途中でも予定外の即興アレンジを加えたりもできるのですが、バンドの場合には全員で合わせる必要がありますので、基本は予定調和で自分のソロの部分のみアレンジOKという少し縛られた環境です。即興と予定調和という組み合わせも、またその後の様々な僕の人生の土台みたいなものを築いてくれているかと思います。

中国語とバンド活動が大学時代の僕の時間の大半だったかもしれません。その日もギターを抱えて大学のキャンパスを歩いていたところ、僕が2浪したために先輩になっている高校時代の同級生にばったり会いました。久しぶりに立ち話に花を咲かせていたのですが、友人が急に第2外国語は何?と聞いてきたので、「中国語」と答えると、友人は「政治学科で中国語だったらゼミは塾長のところだな」と軽く言っていたのがなんとなく、ずっと心にとどまっていました。

この何気ない会話も僕の人生の中では大きな出来事につながっていくことになります。(続く)

井村正規



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