1-P 中小企業診断士試験

前回簡単に書いた中小企業診断士試験は1次7科目の選択式、2次4科目の論述式の試験です。私が受験したころの合格率は1次20%、2次20%で1次・2次の合計ですと20%x20%=4%となかなかの狭き門でした。

1次試験の科目は企業経営理論、運営管理、中小企業経営・政策、財務・会計、経営法務、経済学・経済理論、経営情報システムの7科目です。多くの受験生は何かしら得意科目もしくは仕事でなじみのある科目が一つや二つはありつつ、全く触ったことのないような科目が複数あるというような状況でスタートすると思われます。

企業経営理論とは経営に関するこまごまとした知識およびマーケティングの知識を問われる科目です。これまで会社で受けてきた研修とかぶる点も少なくないし、自分が実際に関わってきた組織の在り方、組織のメンバーとの関係が理論として学びなおせた感があり、がむしゃらに走ってきたこれまでの在り方が実は正しいものであったと、少々うれしくなったりした科目でした。

運営管理とは工場の生産管理および、物販店舗の管理を学びます。商社という工場を持たない会社に勤めてきた私にとってはとても新鮮な科目でしたが、これまで視察や見学させてもらってきた工場の状況を思い出したり、身近な店舗をイメージしたりと楽しく学べるものでした。

中小企業経営・政策は、これまで全く触れたことのない中小企業白書から出題される科目で、暗記しなければならない項目も非常に多かったのですが、語呂合わせを考えて資格学校の同じクラスの友人と披露しあったりする楽しみも感じていました。

財務・会計は会計の基礎から財務諸表、財務分析、損益分岐点、キャッシュフロー計算、NVP計算や企業価値算定等かなり幅広い出題範囲で、商社の財務に長年勤めた私でも、解答練習は欠かせないなかなか歯ごたえのある科目です。

経済学・経済理論は主要経済理論からマクロ・ミクロ経済学・代替効果/所得効果・ゲーム理論に至る幅広い経済の知識を問われます。

経営法務は民法・会社法・知財等々の幅広く細かい論点が求められます。

経営情報システムはハードウエアからデータベース、システム運用、システム開発等、企業におけるIT部門が取り扱うべき幅広い知識を浅く学んでいきます。

7科目は全て100点の配分で700点満点のうち平均60点である420点を取れば合格ですが、1科目でも40点を切ってしまうと合計点が420点を超えていても一次試験通過の資格は与えられません。

1次試験は毎年8月初旬に行われ、10月下旬の2次試験までは約2か月半。

2次試験は論述形式で、組織・人事、マーケティング、運営管理および財務会計の4科目です。1科目80分ですが、比較的長い与件文を読み、設問を解釈して、解答を記述するにはとても十分な時間とは言えず、1次試験後すぐに2次試験向けの勉強に切り替えることはなかなか大変なものがありました。
論述式なのでかなりの分量の文字を制限時間に手書きするため、腱鞘炎になりかけました。

僕の通ったTACが試験の概要をきちんとまとめてくれていますので、さらに詳しくご覧になりたい方は青字の部分をクリックしてみてください。

当時は朝4時に起き2時間半ほど勉強した後に出勤し、通勤電車の中でもテキストを読みこみ、昼休みもカフェで独学、夜も勉強と、まさに大学受験のころよりも真面目に勉強していました。体力的にも相当厳しかったですね。
当時46歳だった私は、不合格だったら、来年もう一度受験する体力と気力があるかはかなり不安視しており、そのためどうしても今年合格したいという強い気持ちを持っていたのも事実です。

とても良かったことは、会社とは違う友人ができたこと。月に1-2回10人くらいの仲間と勉強会と称して、各人の2次試験過去問の回答を回し読みしたり、解き方について自分のやり方を披露したりする会を持ちました。この仲間とは15年ほど経過した今でも時々集まっています。

結果的には幸い、一次・二次ともにストレートで合格することができました。高校時代にこのくらい勉強していたら二浪することはなかっただろうなと思います。



お問い合わせ